ファミリーコンピュータを愛す・その26

初代FFも、ウィザードリィももちろんプレイしてきたが、前回触れたように実際にプレイしたのはかなり後の話となるので、ここでは割愛する。この時点で実際にプレイしていたのは、前作ファミリースタジアムの87年度版である、タイトルそのまま「プロ野球ファミリースタジアム87」である。前作のファミスタは夏ぐらいになってようやく購入したのであるが、やはり野球ゲームは旬が大事なので、その時点ですら若干の古さは否めなかった。という訳で待望の新データ版である。

 

まあファミスタも今更語るまでもないが、やはり目を引いたと言えばMチーム、メジャーリーガーズの存在である。ゲームならではの超人的な選手も欲しい所であるが、実際に日本人選手のみでは無理な話。現在のように150キロ台を普通に投げる投手などはほぼ皆無に等しかったので、という訳でメジャーのチームを採用したのだろう。ただ、モデルの一人であるノーラン・ライアンなどはまだ160前後の速球を投げていたとは言え、当時のMLBでは本塁打50前後というのは容易ではなかった。

 

なので、マグワイアをモデルとしたまくがの61本塁打などは明らかにサバ読みであるものの、実際に日本で活躍したらそのぐらいは打ってもおかしくないだろうし、また燃えプロのホーナーの60、そしてロジャー・マリスの61本塁打を意識したのだろう。また、当時MLBの選手名鑑などは皆無だったので、誰が誰やら意味不明であったが、今見れば当時のMLBオールスターレベルの集団という事がよくわかる。

 

また、ファミスタ87は旧版に87年度版のステッカーを貼っただけ、というのも話題になった。手抜きという話もあったが、個人的には天下のナムコがそんな事をするはずもないので、単なるインパクトを狙っただけかと思われる。ただ、マニュアルの写真などは前作のままだったりもしたので、その辺りは直して欲しかったとは思う。

 

そして、年が明けるともちろん話題はドラクエIII一色なのであったが、実はその頃ゲーム業界ではちょっとした異変が起きていた。というのも、ファミコン初のサードパーティであり、長年任天堂と蜜月であったはずのハドソンが、ファミコンゲームも出してはいたものの、突如としてNECHEから発売された新ハード「PCエンジン」に注力し始めていったのである。今であれば、実質PCEはハドソンのハードという事が明らかになってはいるものの、当時はそんな大人の事情は伏せられていたため、何も知らない子供たちは「何故?」としか思えなかったものだ。

 

そして、ドラクエIII発売直前にはPCE初のRPGである「邪聖剣ネクロマンサー」が発売。ホラー調のCMはかなり話題になり、そしてフルアニメーションする敵キャラ、かつ背景ありの戦闘画面と、ファミコンのスペックを完全に上回っているそのグラフィックには子供ながらにも目を惹かれたものである。まあ、実際のゲーム内容自体はドラクエIIIの足元にも及ばないレベルであった訳であるが、それでも当時のレベルから考えたら衝撃的な作品だったのだ。

 

 

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